澄蓮 千尋さんの突然の宣言から、
お店は慌ただしくリフォームの準備が進んでいきました。
リフォーム会社の方がさっそくきて、凛子さんと色々と打ち合わせしたり、
『樹』が閉まっている間の仮店舗の手配など、
本当にあっという間に決まっていきました。
そんな、喫茶店『樹』の最後の日
勢いよく店のドアが開かれる
澄蓮 い、いらっしゃいませ!!
栗田 滑子先生!!!!!!
澄蓮 ひ、ひゃっ!!!!
栗田、咲夜の手をいきなり取って
栗田 滑子先生!!!!僕は待っていたんですよ~~
あの超絶人気美女シナリオライター、
薯蕷滑子が満を持してアイドルグループを作る!!!!
しかも!!!!滑子先生ご自身も一員として参加されると!!!!!
くぅぅぅぅぅ!!!!なんという僕のためのような企画!!!
僕はこれを待っていたんです!!そう、この時を!!
澄蓮 あ、あの……私は……
栗田 更にその店を僕がリフォームできるなんて!!!!こんな喜び、コレ以上ない!!!
この依頼、完っっっ璧!!!に、こなしてみせますよ!!滑子先生!!!!………あれ?
凛子 あら、栗田さ~ん、いらっしゃい!早かったのね。あっ、大樹。こちら栗田さん。
私の非公式ファンクラブの団長兼、今回この店のリフォームを担当してくれる人。
あっ、茉莉ちゃん。栗田さんに珈琲いれあげてくれる?
茉莉 あ~はいはい。
大樹 お前ファンクラブなんか持ってるのかよ
凛子 非公式よ、非公式。栗田さんが『ど~しても作りたい!!』って言うから、
一応認知はしてるけど、
私が作ったわけじゃないのよ。
大樹 認知って……お前、人気あったんだな
凛子 こっちの世界ではそれなりにね~
っで、前話した潰れたメイド喫茶の話をしたでしょ?
そのオーナーだった人なの。
大樹 あぁ~机とか椅子が全部そろっている、っていう話だったか?
凛子 そう!その店、栗田さんが私にメイド服を着せたいが為に作った店でね……
大樹 はぁ!?
凛子 本来は私の作品を紹介するコンセプトカフェで、私自身を紹介してくれたり、
私が書いた本とか置いてあったんだけど、
そういう店って基本、女の子に会いに来るものでしょ?
客足があんまり伸びなくて閉っちゃったのよ~
大樹 ん?それじゃ、今回もお前が参加したところで、同じ結果になるんじゃないのか?
凛子 あぁ~大丈夫。私、その店、出てなかったから。
大樹 ……は?
凛子 だから、私は店出てないの。スタッフとして働いてないし、
勿論メイド服も着てない。
あっ、等身大パネルがメイド服着せられてたかな?
大樹 ……その店、意味あるのか?
凛子 さぁ?でも、お店行ったら奢ってくれるっていうから何度か行ったけど、
さすがに毎日奢ってもらうのも悪いじゃない?
〆切とか重なってしばらく行かなかったら、潰れちゃった~
大樹 潰れちゃった~って……
凛子 そしたら栗田さんがね、
『メイド服を着てくれるなら、何でもします!!』って言うから、
喫茶店っぽいものを全部もらったの。
大樹 なんだその条件……
凛子 で、友達のアイドルの子と、一緒にユニット組んで、喫茶店開こうと思ってたのよ~
そうしたら、いいタイミングでこの店も経営がヤバイって言うじゃない?
なら、全部一緒にやっちゃえ!!ってことで、今回の企画をでっち上げたわけ!!
大樹 でっち上げだったのかよ……
凛子 元々、大樹には喫茶店メニューとかも手伝ってもらうつもりだったし、
栗田さんのお店の立地もあまり良くなくてね~
なら、この店リフォームしたらいいか!!と閃いたわけ!!
いや~我ながら名案だったなぁ~
大樹 絶対迷ってる方の迷案だと思うが?
凛子 そこで栗田さんに『私もメイド服着てお店出るから、ここのリフォームやって!!』
ってお願いしたら、
二つ返事で答えてくれたわ!!
大樹 お前が威張るな!!ったく。
すみません、栗田さん。こいつの我がままに付き合っていただいて……ん?
澄蓮 あ、あの……そろそろ手を離してもらえませんか?
凛子 あぁ~栗田さん、極度のあがり症なのよ。
たぶん、自分から知らない女の子の手を握っちゃったから
気絶してるのね~ほら、栗田さん!!!!
千尋、栗田の背中を勢いよく叩く
栗田 (恍惚に)あぁぁ!!!!ありがとうございます!!!!!……え?滑子先生!!!
ということは……(咲夜を見る)あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
澄蓮 えぇぇぇぇ!!!!
栗田 す、すみません、すみません、すみません!!!
悪気はなかったんです!!
ですが、感動が抑えられなくて、本当に申し訳ありません!!!!
お詫びに何でもします!!なんでもしますので、赦してください!!
凛子 今、何でもって言った?栗田さん
大樹 お前、まさか……
栗太 はい!!何でもします!!
大樹 ちょっと、栗田さん!?
凛子 じゃあ、リフォーム代負けてくれない?
大樹 おい、やめろ
栗田 分かりました!!30%OFFで遣らせていただきます!!
大樹 良いのかよ……
凛子 やったぁ~~その代わり、栗太さんとはメイド服姿で一緒にチェキ撮ってあげるね!!
栗太 おぉぉぉ!!!35%OFFで遣らせていただきます!!!!
大樹 お前のチェキは、どんだけの値段なんだ……
凛子 時価よ!!
大樹 土地かよ……
栗田 あぁ!!そうだ、そちらのお嬢さんも、
いきなり手を握ってしまって本当にすみません。
お詫びになんでもします!!
大機 あっ、この人、なんでもするが口癖なんだな
澄蓮 い、いえ。突然の事だったんで驚いただけですから、大丈夫です。
あっ!私、澄蓮と言います。リフォーム、よろしくお願いいたします。
栗太 ………神か。
澄蓮 え?
栗太 女神だ……
澄蓮 あ、あの~
凛子 気にしないで、こういう人なの。栗田さ~ん、戻ってきて~みんなを紹介するから
茉莉 一体、何騒いでるの?珈琲できたよ。
柚貴 こんにちわ~ゴメンね~ケーキ焼いてたら遅くなっちゃった……
って、あれ?どうしたの?
凛子 うん!!みんな揃ったところで、まずはお互い自己紹介しましょうかね!!