第2話 謎のスポンサー栗田さん


澄蓮 千尋さんの突然の宣言から、

   お店は慌ただしくリフォームの準備が進んでいきました。

   リフォーム会社の方がさっそくきて、凛子さんと色々と打ち合わせしたり、

   『樹』が閉まっている間の仮店舗の手配など、

   本当にあっという間に決まっていきました。

   そんな、喫茶店『樹』の最後の日

 

   勢いよく店のドアが開かれる

 

澄蓮 い、いらっしゃいませ!!

栗田 滑子先生!!!!!!

澄蓮 ひ、ひゃっ!!!!

 

      栗田、咲夜の手をいきなり取って

 

栗田 滑子先生!!!!僕は待っていたんですよ~~

   あの超絶人気美女シナリオライター、

   薯蕷滑子が満を持してアイドルグループを作る!!!!

   しかも!!!!滑子先生ご自身も一員として参加されると!!!!!

   くぅぅぅぅぅ!!!!なんという僕のためのような企画!!!

   僕はこれを待っていたんです!!そう、この時を!!

澄蓮 あ、あの……私は……

栗田 更にその店を僕がリフォームできるなんて!!!!こんな喜び、コレ以上ない!!!

   この依頼、完っっっ!!!こなしてみせますよ!!滑子先生!!!!………あれ?

 

凛子 あら、栗田さ~ん、いらっしゃい!早かったのね。あっ、大樹こちら栗田さん。

   私の非公式ファンクラブの団長今回店のリフォームを担当してくれる人

   あっ、茉莉ちゃん。栗田さんに珈琲いれあげくれる?

茉莉 あ~はいはい。

大樹 お前ファンクラブなんか持ってるのかよ

凛子 非公式よ、非公式。栗田さんがしても作りたい!!』って言うから

   一応認知はしてるけど、

   私が作ったわけじゃないのよ。

大樹 認知って……お前人気あったんだな

凛子 こっちの世界ではそれなりにね

   っで、前話した潰れたメイド喫茶したでしょ?

   のオーナーだった人なの。

大樹 あぁ~机とか椅子が全部そろっているっていう話だったか?

凛子 そうその店、栗田さんが私にメイド服を着せたいが為に作った店でね……

大樹 はぁ!?

凛子 本来は私の作品を紹介するコンセプトカフェで、私自身を紹介してくれたり、

   私が書いた本とか置いてあったんだけど、

   そういう店って基本、女の子に会いに来るものでしょ?

   客足があんまり伸びなくてっちゃったのよ~

大樹 ん?それじゃ、今回もお前が参加したところで、同じ結果にんじゃないのか?

凛子 あぁ~大丈夫。私、その出てなかったから。

大樹 ……は

凛子 だから、私は店出てないのスタッフとして働いてないし、

   勿論メイド服も着てない。

   あっ、等身大パネルがメイド服着せられてたかな?

大樹 ……その店、意味あるのか?

 

凛子 さぁ?でも、お店行ったら奢ってくれるっていうから何度か行ったけど、

   さすがに毎日奢ってもらうのも悪いじゃない?

   〆切とか重なってしばらく行かなったら潰れちゃった

大樹 潰れちゃった~って……

凛子 そしたら栗田さんがね、

   『メイド服を着てくれるなら、何でもします!!って言うから、

   喫茶店っぽいものを全部もらったの。

大樹 なんだその条件……

凛子 で、友達のアイドルの子と、一緒にユニット組んで、喫茶店開こうと思ってたのよ~

   そうしたら、いいタイミングでこの店も経営がヤバイって言うじゃない?

   なら、全部一緒にやっちゃえ!!ってことで、今回の企画をでっち上げたわけ!!

大樹 でっち上げだったのかよ……

凛子 元々、大樹には喫茶店メニューとかも手伝ってもらうつもりだったし、

   栗田さんのお店の立地もあまり良くなくてね~

   なら、この店リフォームしたらいいか!!と閃いたわけ!!

   いや~我ながら名案だったなぁ~

大樹 絶対迷ってる方の迷案だと思うが?

凛子 そこで栗田さんに『私もメイド服着てお店出るから、ここのリフォームやって!!』

   ってお願いしたら、

   二つ返事で答えてくれたわ!!

大樹 お前が威張るな!!ったく。

   すみません、栗田さん。こいつの我がままに付き合っていただいて……ん?

澄蓮 あ、あの……そろそろ手を離してもらえませんか?

凛子 あぁ~栗田さん、極度のあがり症なのよ。

   たぶん、自分から知らない女の子の手を握っちゃったから

   気絶してるのねほら、栗田さん!!!!

 

   千尋、栗田の背中を勢いよく叩く

 

栗田 (恍惚に)あぁぁ!!!!ありがとうございます!!!!!……え?滑子先生!!!

   ということは……(咲夜を見る)あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

澄蓮 えぇぇぇぇ!!!!

栗田 す、すみません、すみません、すみません!!!

   悪気はなかったんです!!

   ですが、感動が抑えられなくて、本当に申し訳ありません!!!!

   お詫びに何でもします!!なんでもしますので、赦してください!!

凛子 今、何でもって言った?栗田さん

大樹 お前、まさか……

栗太 はい!!何でもします!!

大樹 ちょっと、栗田さん!?

凛子 じゃあ、リフォーム代負けてくれない?

大樹 おい、やめろ

栗田 分かりました!!30%OFFで遣らせていただきます!!

大樹 良いのかよ……

凛子 やったぁ~~その代わり、栗太さんとはメイド服姿で一緒にチェキ撮ってあげるね!!

栗太 おぉぉぉ!!!35%OFFで遣らせていただきます!!!!

大樹 お前のチェキは、どんだけの値段なんだ……

凛子 時価よ!!

大樹 土地かよ……

栗田 あぁ!!そうだ、そちらのお嬢さんも、

   いきなり手を握ってしまって本当にすみません。

   お詫びになんでもします!!

大機 あっ、この人、なんでもするが口癖なんだな

澄蓮 い、いえ。突然の事だったんで驚いただけですから大丈夫です。

   あっ!私、澄蓮言います。リフォームよろしくお願いいたします。

栗太 ………神か。

澄蓮 え?

栗太 女神……

澄蓮 あ、あの~

凛子 気にしないで、こういう人なの。栗田さ~ん、戻ってきて~みんなを紹介するから

茉莉 一体、何騒いでるの?珈琲できたよ

柚貴 こんにちわ~ゴメンね~ケーキ焼いてたら遅くなっちゃった……

   って、あれ?どうしたの?

凛子 うん!!みんな揃ったところで、まずはお互い自己紹介しましょうかね!!