第3話 5人目のキャスト葵とマネージャー吉田


澄蓮 リフォームの準備でお店の片づけをしていたある日、

   私達は凛さんによってお店に集められていました

   

 

葵  ここで、いいのよね?

吉田 そのはずだね。なんというか、ずいぶんレトロなお店だね

葵  これから改装するんだって。近日中には立派なアイドルカフェになるみたいよ

吉田 本当に大丈夫なの、この企画?

葵  さぁ?でも凛の企画だから大丈夫じゃない?

吉田 僕はちょっと不安だなぁ~

葵  なら、別に私に付き合わなくてもいいのよ。

   貴方は他の仕事もあるんだし、私ばっかりに構ってるわけにはいかないでしょ?

吉田 葵

葵  何?

吉田 僕は葵のマネージャーだ

葵  そうね

吉田 なら担当タレントのサポートをするのが僕の仕事だよ。

   他の仕事なんて何処でもできるし、誰かに代わってもらえるしね?

   でも、君のサポートは僕にしかできない。違うかい?

葵  そうね。

吉田 だから、これが僕の仕事なんだよ。

葵  そう。じゃサポートよろしくね

吉田 了解、お姫さま。さて、入り口に何時まで居ても仕方ないし、

   そろそろ、中に入ってみようか

葵  ちょっと待って!!

吉田 どうした?

葵  私から、行くから、貴方は暫く待ってて

吉田 あぁ~またあれをやるのかい?まぁいいけど。

葵  こういうのは最初が大切なの!!

 

   SE:ベル

 

澄蓮 い、いらっしゃいませ~

葵  初めまして!!私、立花葵って言います~!!

   トレードマークはツインテールの永遠の18歳!!

   滑子先生の紹介で、今回のカフェの企画に参加さえてもらうことになりました~

   一生懸命頑張りますので、仲良くしてくださいね、先輩!!

澄蓮 せ、先輩……ですか

葵  はい!!お店では私が一番後輩になるんで、いろいろ教えてください!!

   よろしくお願いしますね、先輩!!

澄蓮 あっ、はいぃぃ!!よろしくお願いします!!!!

葵  まずは先輩のお名前を聞いてもいいですか?

澄蓮 お、お名前?お名前は澄蓮って言います!!

葵  澄蓮先輩、ですね。よろしくお願いします、澄蓮先輩!!

   ………ところで、滑子先生は?

澄蓮 滑子先生?……あぁぁ!!凛さんの事ですね!!

   すみません!!凛さんもちょっと、外出してまして……

葵  そう、なんですね……他のお店の方は?

澄蓮 他の皆さんも、ちょうど出払ってまして……

葵  あぁ………そう、なんですね。

   くっ……せっかく気合い入れて挨拶したのに

澄蓮 あの?どうしました?

葵  い、いえ!!何でもないです!!じゃ、ちょっと待たせてもらって……

 

   SE:ドアベル

 

葵  あっ、初めまして!!私、立花葵って言います!!

   トレードマークはツインテールの永遠の18歳……あれ?

凛子 ………あぁ~なるほど。で~?それから?それそれか?

葵  っ!!凛!!!貴女って人は!!なんなの、その態度は!!

凛子 あははは~~ごめん、ごめん!!こんな早く来ると思わなくてさぁ~

葵  私が来たのは待ち合わせ時間の10分前よ!!

   社会人として、時間前に来るなんて当たり前でしょ!!

   だいたい、人のこと呼んでおいて時間ギリギリまで外出してるってどういうことよ!!!

凛子 いや~ちょっと準備でバタバタしててね~

葵  だったら、メールの一つでも寄こしなさいよ!!いつもいつも貴女は!!

凛子 ゴメンって~この通り謝るから、許して?葵ちゃん

葵  それが人に謝る態度?

澄蓮 あ、あの……

葵  なに!!あぁ~!!!ご、ごめんなさい!!つい、凛が人のことからかうモノだから……

澄蓮 いえいえ!!大丈夫です、分ってますから。

   凛さんも、ちゃんと葵さんに誤ってください。

凛子 えぇ~誤ったじゃん~

澄蓮 凛さん!!

凛子 うっ!!

澄蓮 凛さん?

凛子 あぁ~わかりました!!葵、ごめんね~本当、からかうつもりはなかったんだけど、

   貴女があんまりにも気合い入れた挨拶してるもんだから、つい可愛くて

葵  へ、へぇ~

凛子 なに?

葵  凛がそんなに素直に謝るなんて珍しいなぁ~と思って。

凛子 どういうことよ

葵  そのままの意味よ。あっ!!えっと、澄蓮さん?ありがとうね。

   ところで何か言いかけてたみたいだけど

澄蓮 あぁ!!そうでした!!あの、皆さん揃ったんですけど……

葵  ……え?

澄蓮 いえ、お二人が言い争ってらっしゃるうちに、

   奥で作業されていた皆さんもそろったので

葵  あっ……

大樹 えっと、初めまして。ここの店主の大樹です。こっちが妹の茉莉

茉莉 よろしく

柚貴 僕は柚貴といいます。

大樹 凛がいつも迷惑かけてるみたいで、申し訳ない。店を代表して謝るよ

凛子 ちょっと!!それどういう意味!?

大樹 そのままの意味だ

茉莉 凛ぇだから仕方ないんだけど

柚貴 確かに…

澄蓮 ダメですよ!!親しき中にも礼儀あり、です!!

凛子 ちょっ!!ひどくない?

大樹 自業自得だろ?

茉莉 そうね~

柚貴 ちょっと気を付ければ大丈夫だよ、凛ちゃん

澄蓮 私たちもフォローしますから、頑張りましょう!!

凛子 もぉ~みんなして!!

葵  っぷ!!あははは~~

凛子 な、なによ!!

葵  あの凛が、ぷぷ……こんな扱いされるなんて、ふふふ……

凛子 ここではこうなの!!いいでしょ?だから、葵もここでは気張らないでいいのよ

葵  ふふふ……そうみたいね。わかった。

   改めまして、私は立花葵です。よろしくね

大樹 あぁ、よろしく。ところでその後ろの方は?

吉田 初めまして!!葵のマネージャーの吉田と申します。よろしくお願いいたします。

大樹 マネージャー?

吉田 はい!!葵はタレントとして、またアイドルとして活動しておりまして、

   私は葵の担当マネージャーとして、彼女のサポートをしております!!

   この度は、こんな素晴らしい企画に葵をお誘いいただき、

   本当にありがとうございます。

   更に今回は滑子先生、自らキャストとして参加されるとのことで、

   私も期待に胸を躍らせております!!

大樹 あぁ……そうなんですね。

吉田 何といっても、あのとろろ滑子先生のメイド服姿が見れるということで、

   是非、そのお姿をこのカメラに納めたいと思っております!!

葵  ちょっと、吉田?

吉田 ん?あぁ~大丈夫だよ、葵!!僕の心は葵一筋だから!!

   だが、コスプレは見られるための行為!!

   そして、僕はその一瞬を切り抜くカメラマン!!

   御安心ください、滑子先生!!

   レタッチから効果まで私がしっかりとやらせてもらいます!!

   他の皆さんも粒ぞろい!!これは僕のファインダーが火を噴きます!!

葵  すみません、こいつコスプレのことになるちょっと熱くなるところがあって…

大樹 あぁ……大丈夫です。また、変わった人が着たな……

凛子 私の周りなんてこんな感じばっかりよ?

茉莉 大丈夫なの?

凛子 コスプレと葵のことになるとちょっとあれだけど、

   基本変態紳士だから問題ないわよ。

   あと、仕事ができる!!

茉莉 変態紳士って……

凛子 改めて葵、吉田さん。こちらが大樹、この店の店長でコック。

   こいつのオムライスは本当に絶品よ!!んで、こちらが妹の茉莉ちゃん。

   バリスタ目指してて凄く美味しい珈琲を淹れてくれるの

葵  よろしくお願いします。

凛子 そして、こっちが柚貴くん。

   本当は男の子なんだけど、女装とお菓子作りが趣味なの!!

柚貴 凛ちゃん!!

吉田 男の娘ですか!!素晴らしい!!クオリティ高いですね!!

凛子 でしょ~?だからお店ではちゃんとして参加してもらいます!!

   最後にこちらが澄蓮ちゃん。

   ここのバイトでココのことならなんでも知ってるベテランウエイトレス!!

   ちょっとドジっ子属性だけど、仕事はしっかりしてるし、何よりいい子よ!!

吉田 ドジっ子は喫茶店には必須ですね!!

凛子 でしょ?

澄蓮 どういうことですか!!

凛子 まぁまぁ!!まずはこのメンバーでお店をスタートするわ!!

   『樹』改めて『ユグドラシル』絶対成功させるわよ!!